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日記49 あの日の夢

작가: 久遠遼
last update 최신 업데이트: 2025-12-25 20:43:23

「エリカ、入るぞ?」

 ドアの前で声をかけてから、軽くノックするが、返事は返ってこなかった。

 そのまま黙ったままの扉を、そっと押し開ける。

 俺の部屋の倍はある、広くて可愛らしいその部屋は、以前なら花みたいに明るい空気を纏っていたはずだが、今はまるで心ごと閉じられてしまったみたいだった。

 世界との繋がりを断つかのように、カーテンはきっちり閉め切られ、光ひとつ入ってこない。

 その薄暗い部屋のベッドの上に、エリカは小さく丸まっていた。まるで、世界で一番壊れやすい宝石みたいに。

「エリカ……起きてたのか」

「なお……くん……」

 俺の声にかすかに反応したその声は、風にさらわれる寸前の紙みたいにか細く、今にも消えてしまいそうだった。

 顔色はひどく悪く、目の下にはくっきりとクマ。ろくに眠れていないことが分かる。

 柔らかく流れる金色の髪も、ぼさぼさに乱れている。サファイアみたいに澄んでいた瞳は、今はもう光を失って、曇ったビー玉のように濁っていた。

「……ご飯、食べてるか?」

 聞いた瞬間、エリカはほんのわずかに首を横に振った。

「最後に食べたのは……?」

「……お葬式のあとから、なにも……」

「……もう三日も食べてないか?」

 胸がぎゅっと締めつけられる。生きてるだけで、奇跡みたいな存在なのに。どうして、こんなに脆くなってるんだ。

「だめだ……少しでも食べるんだ」

「……いま、食べても……無駄なの。全部……戻しちゃうから」

 エリカの声は感情のないロボットのように、質問に対してただ答えを出しているだけのようで、そこに感情がない。

 俺とエリカの僅かな沈黙が落ちたときだった。

 ――パアァァァァーーーッ!!

 外から、トラックのクラクションが響いた。大きな、荒っぽい音。

「あ、あああっ……!」

 エリカが急に肩を震わせたかと思うと、次の瞬間にはパニックになって叫び出した。

 最初は息を呑むようなかすかな声。でも、それはすぐに壊れたガラスみたいな悲鳴へと変わっていく。

「やめて……やだ、こないで……っ!」

 その叫びは、人の声じゃなかった。喉から血が出るんじゃないかと思うほど、必死で、苦しそうで――見ているこっちが壊れそうになる。

「エリカ!大丈夫、大丈夫だっ!」

 俺は思わず彼女を抱き締めていた。こんなふうにしか守れない自分が悔しかったけど、それでも、今はこれしかでき
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